プロジェクトマネジメントの概要

皆さまこんにちは。前回は、問題解決者の皆さまを支えるソフトスキルの1つである“チェンジマネジメント(チェンマネ)”の進め方について、チェンマネの代表的な3つのアプローチ(コッターの変革8段階プロセス/チェンジ・アクセラレーション・プロセス/ADKAR)と、“一般的な問題解決(as-is ~ to-be)およびリーンシックスシグマの進め方”をマッピングして、チェンマネとして追加する必要があるタスクを書きました。

今回から数回に渡って、別のソフトスキルとして“プロジェクトマネジメント”について書いてみたいと思います。“チェンマネ”のように“プロマネ”と略すと一般的には“プロジェクトマネージャー”を指しますので、当ブログでは略しません(笑)。

1. 代表的な“プロジェクトマネジメント”アプローチ

“チェンマネ”と異なり、“プロジェクトマネジメント”とは何か?という点は、皆さま大体ご存じかと思います。ので、定義云々は飛ばして、“プロジェクトマネジメント”の3つの代表的なアプローチを見ていきたいと思います。

a) PMBOK(ピンボック)

いきなり奇妙な名称が出てきましたが(笑)、”Project Management Body Of Knowledge”の略で、“ピンボック”と呼ばれます。アメリカ人はこの“Body Of Knowledge”モノが好きですね(笑)。他にも”BABOK (バボック。Business Analysis Body Of Knowledge)“とか、色々あります。

“Body Of Knowledge”とは“知識体系”くらいの意味で、実物もそんな感じです。といいますか、以前は本当に百科事典のような分厚い代物だったのですが、最新の“第7版”は大幅な改訂が行われ、だいぶ薄くなったようで、750ページが250ページになったそうです。それでも十分厚いですが(笑)。内容は、大まかなアプローチ・流れがあり、その流れの中の各部分で作成する成果物のテンプレートが紹介されています。こんな感じです。

PMBOKのアプローチ・流れ
図1. PMBOKのアプローチ・流れ(出所:PMサムライ様記事

本当にテンプレートでしかなく、これらをその通りに使ってもうまく機能せず、カスタマイズは必須です。コンサル会社の方ですと、社内で方法論がある場合が多いと思いますが、それらの方法論は多かれ少なかれ、このPMBOKの影響を受けているものが多いと察します。最近は一般事業会社でも、各社独自の方法論を持たれているところが多いかと思います。その場合もPMBOKベースが多いかと思います。そのくらい、スタンダードなアプローチと言えます。

ちなみにこのPMBOKは、米PMI (Project Management Institute)が作成しているもので、PMIが認定しているPMP (Project Management Professional)という資格試験のベースにもなっています。PMPはグローバルで通用するプロジェクトマネージャー向けの資格試験です。日本の“プロジェクトマネージャ試験”より難易度は低めで、グローバルに通用しますので、英語が(何とか)大丈夫な方はチャレンジしてみることをおススメします!

もし試験にチャレンジされる場合は、PMBOKそのものを一生懸命覚えるのではなく、解説本をどれか1冊しっかりやることをおススメします。私はこの”合格虎の巻(PMBOK最新版に対応しているかはご確認ください)”を何回もやって、解きながらポイントを押さえました。PMBOKそのものは、もちろん一度見ておいた方が良いですが、あれはあくまでリファレンスですね。

b) PRINCE2(プリンス・ツー)

PRojects IN Controlled Environments”の略で、米国発のPMBOKに対し、こちらは英国政府が作成した欧州モノです。なので、欧州ではこちらがメジャーなようです。

大まかなアプローチ・流れはこんな感じです。少しスッキリ見えますが、要素的にはPMBOKと被っている部分が多いと思います。

PRINCE2のアプローチ・流れ
図2: PRINCE2のアプローチ・流れ(出所:PRINCE2.com

具体的な内容は、こちらのリンクをご覧ください。

c) CMMI(シー・エム・エム・アイ)

“Capability Maturity Model Integration“の略です。こちらは米カーネギーメロン大学の”ソフトウェア工学研究所(SEI)“が作成したものです。

大まかなアプローチ・流れはこんな感じです。これも少しスッキリ見えますが、要素的にはPMBOKと被っている部分が多いと思います。ポイントは”Maturity Model“というくらいなので、成熟度評価が組み込まれている点ですね。

CMMIのアプローチ・流れ
図3. CMMIのアプローチ・流れ(出所:株式会社システムインテグレータ様記事

具体的な内容は、こちらのリンクをご覧ください。このCMMIは一時期導入の機運が高まりましたが、成熟度評価にかかるコスト等の理由で(ISO的な感じでしょうか)、結局導入は進んでいないようです。

2. “PMBOK”、“PRINCE2”、“CMMI”のまとめ

上記の3つのアプローチを眺めてみると、共通している部分も多いと思います。今回3つ取り上げましたが、”CMMI”は導入が進んでいないこと、また”PRINCE2“は欧州中心であり、国内は”PMBOK”中心であることから、問題解決者の皆さまはPMBOKを抑えておけばよいかと思います。

そして、PMBOKに含まれている内容の多くが、実は“一般的な問題解決(as-is ~ to-be)およびリーンシックスシグマの進め方”にも含まれています。

次回は、これまで書いてきた一般的な問題解決(as-is ~ to-be)とリーンシックスシグマの進め方とマッピングして、“プロジェクトマネジメント”として追加する必要があるタスクをもう少し具体的に書いてみたいと思います。

今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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