“CBAP(シーバップ)“とは?

皆さまこんにちは。今回は、問題解決者向けの資格の1つとして”CBAP(シーバップ)”について書きます。

この”CBAP”は、”Certified Business Analysis Professional”の略称で、文字通りビジネスアナリストを対象とした資格で、カナダに本部がある”IIBA (International Institute of Business Analysis)”が運営しています。グローバルな資格ですが、日本語で受験可能なのでご安心ください。

バイブルとしての“BABOK”と”ビジネスアナリシス”

この試験を受けるに当たっては、IIBAが発行している”BABOK(バボックないしビーエーボック等と読まれる)”がバイブルとなります。これは”Business Analysis Body Of Knowledge”の略になります。これをしっかり読み込んでポイントを抑えることが大事です。

BABOKの中で“ビジネスアナリシス”とは、”ニーズを定義し、ステークホルダーに価値を提供するソリューションを推奨することにより、エンタープライズにチェンジを引き起こすことを可能にする専門活動“と定義されています。ちょっと堅い感じですが、意味は分かるかと思います。いわゆる問題解決・ソリューション導入等のプロジェクトの”上流“に当たる活動と言えます。”ソリューションを推奨“というのが大事なところで、”ソリューションの実装・実行“はしない、という定義になっています。

BABOKの”6つの知識エリア”

BABOKの中核となっているのが”6つの知識エリア”で、これは

1. ビジネスアナリシスの計画とモニタリング

2. 引き出しとコラボレーション

3. 要求のライフサイクルマネジメント

4. 戦略アナリシス

5. 要求アナリシスとデザイン定義

6. ソリューション評価

から成ります。

“引き出し”というのがあまりピンとこないかもしれませんが、これは”ステークホルダーから要件を引き出す”という意味合いです。

これらの6つの知識エリアを、いつもの”問題解決の流れ”とマッピングすると、こんな感じになります。

図1: 問題解決の流れとBABOKの6つの知識エリア

ビジネスアナリシスの計画を立てるところから、“引き出された”要求の管理まで、かなり体系的に網羅されています。

”ビジネスアナリスト”とは?

そして同じくBABOKの中で”ビジネスアナリスト”とは、”BABOKガイドに記述されたタスクを実施する人であり、肩書きや組織は問わない“と定義されています。

プロジェクトの上流において、日本企業の中で”ビジネスアナリスト”という肩書きの人はあまり見かけないのではないかと思います。外資系企業では配置されているケースもありますが、日本の中では、あまり役割として浸透しておらず、実際にはプロジェクトマネージャー(PM)が兼任しているようなケースが多いかと思われます。まぁ”肩書きや組織は問わない”とされているので、この役回りの人がいればよいかと思います。

受験情報

CBAPを受験するには、ビジネスアナリストとして、7,500時間以上の実践的な経験が必要となります。これは申請時に、業務内容を経験時間、時期を記入します。自己申告ですが、この内容を裏付けるリファレンス(上司ないし推薦者)が必要となります。通常リファレンスに連絡がいくことはないですが、ランダムに監査をしているようなので、監査に引っかかった場合は、連絡がいく場合があるようです。ですので、リファレンスに挙げる人にはきちんと連絡しておいた方がよいと思います。この辺はPMPと同じですね。

試験は通年実施されており、会場・オンラインどちらでも受験可能ですので、しっかり準備した上で申し込まれるとよいと思います。準備にあたっては、”4年以内に35時間以上の専門能力の教育を受けていること”が受験要件に挙げられているので、公式の受験コースで学ぶ必要があります。

受験コースを受講した上で、冒頭にも書きましたがBABOKをしっかり理解しておけば合格できる試験だと思います。”BABOKをしっかり”というのは、具体的には

・6つの知識エリア内で定義されている30のタスクを理解すること

・各タスクのインプット・アウトプット、ガイドライン、要素(これらはBABOKを実際に読むと出ています)を抑えること です。

このCBAPですが、PMP等と比較してまだ認定者数が少なく(特に日本!)、希少価値もあり、また内容的にも、問題解決全般をハイレベルに学ぶことができるのでおススメの資格です。ご興味あれば、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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