皆さまこんにちは。前回はリーンシックスシグマの“内部調査”段階である“Measure(測定)”フェーズで使われる手法である“バリューストリームマッピング(VSM)”について書きました。
今回から、リーンシックスシグマの“内部調査”段階である“Analyze(分析)”フェーズに入ります。リーンシックスシグマでは、問題点を“Measure(測定)”フェーズでVSMを書くことで、詳細な業務の流れを書き出し、プロセスにかかる時間を“測定”します。そして、その測定した時間も含め、詳細な問題点が洗い出されます。“Analyze(分析)”フェーズでは、それらの詳細な問題点について、“根本原因”を探ります。一般的な問題解決の流れと比較した場合、この辺りがリーンシックスシグマの独特な点と言えると思います。
この“Analyze(分析)”フェーズで使われる手法は大きく2つ、1つは“フィッシュボーン分析”、もう1つは“5回のなぜ”があります。で、今回は“フィッシュボーン分析”について書いてみたいと思います。
1. “フィッシュボーン分析”とは何か? – “特性要因図”とか“石川ダイアグラム”等とも言われます
“フィッシュボーン分析”は、日本の工学博士である石川馨先生が開発されたものなので、“石川ダイアグラム”とも呼ばれます。海外では“Ishikawa Diagram”で結構通じます。また日本国内では品質管理の分野でよく使われており、“特性要因図”という名前で知られています。で、リーンシックスシグマでは“フィッシュボーン分析”と呼ばれるのが一般的です。
まぁどれでもいいと思いますが(笑)、こういう背景があり、リーンシックスシグマ界隈以外の問題解決者の方には、あまり馴染みがないかもしれないですね。
百聞は一見に如かず、どんなものか見てみましょう。
見ての通り、魚の骨のような感じで問題点をブレークダウンしていくので“フィッシュボーン分析”なのですね(笑)。右側の魚の頭の部分に“掘り下げたい問題点”を書きます。そして左側の魚の骨1本1本に名前をつけます。この骨1本1本が問題点の“要因”になります。
具体的な作り方は、ググるとたくさん出てきますので、1つだけリンクを貼らせていただきます(Study Hacker様記事)。
勘のいい方はピンときたと思いますが、この要因を“漏れなくダブりなく”設定することが、いい分析をするために大事です。そこで“フレームワーク”ですよね!
2. “魚の骨”に適用するフレームワーク – “4M”、“6M”、他にも色々あります
フィッシュボーン分析でよく使われるフレームワークは”4M“です。4つの要素の英語の頭文字がすべてMなので”4M”なのですね。
Man:人
Machine:機械
Method:作業方法
Material:材料
実際に、4Mを適用したフィッシュボーン分析のイメージはこんな感じです(赤丸が”根本原因”)。
4Mに下記2つを追加して、“6M”にしたりする場合もあります。
Measurement:測定
Mother Nature:環境
また、”4M”、”6M”に限らず、フレームワークにもあった“3C”や”4P”、またその他のフレームワークも色々使えます。分析の目的に応じて、クリエイティビティを発揮してください!要は“MECE”であれば、何でもいいのです。
3. “フィッシュボーン分析”と“ロジックツリー”
問題点の“根本原因”を、“漏れなくダブりなく”、要因ごとにブレークダウンしていく、という流れ自体はすごく良いのですが、個人的には、何となくこのフィッシュボーンの見た目がしっくりこないのですね。“なぜ頭が右にあるんだろう?”とか。頭が右にあることで、分析全体の流れが“右→左”になるのですが、これが1つの原因かと思います。あと1つは、要因が上にあったり、下にあったりで目があちこちに飛んでしまう点ですね。人の目線は、一般的に左上から右下に向かって動いていくのが自然だと言われます。
これを解決するのが“ロジックツリー”で、リーンシックスシグマ界隈以外の問題解決者の方には、こちらの方が馴染みがあるのではないでしょうか?私も、個人的にはこっちの方がしっくりきます。
先ほどの図2を同じ内容を、ロジックツリーで表してみたのが、こちらです(赤枠が”根本原因”)。
どちらが見やすいでしょうか?まぁ、この辺りは好みもあると思います。使いやすい方、しっくりくる方を使うので良いと思います!
今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。