“問題定義”のまとめ!5W2Hとプロジェクト憲章(チャーター)

皆さまこんにちは。前回はリーンシックスシグマの最初のステップ“Define(問題定義)”で使われるツールで、VOC(顧客の声)から社内の改善機会を特定するツールである、CTQ(シー・ティー・キュー)について書きました。

この辺りで、ここまでの流れを振り返ってみましょう。

一般的な問題解決とリーンシックスシグマの流れにおける現在地
図1: 一般的な問題解決とリーンシックスシグマの流れにおける現在地

前回までで”Define(問題定義)“は一旦完了となります(リーンシックスシグマでない”一般的な問題解決“ではまだ現状分析の途中ですが)。ですので、ここで”Define(問題定義)”のとりまとめで使われるツールとして、“5W2H”と“プロジェクト憲章(チャーター)”について、書いてみたいと思います。

1. 5W2Hとは?

“5W2H”は聞いたことがある方が多いかと思います。元々、特に問題解決に特化したツールではなく、一般的な物事の整理のためのフレームワークです。一般的なので、ググるとたくさん出てきます。ここで1つだけリンクを貼らせていただきます(創業手帳様記事)。

具体的には、What – Why – When – Who – Where – How – How much/manyのことで、Wから始まる5つの疑問詞とHから始まる2つの疑問詞で”5W2H”です。”5W1H”も聞いたことがある方が多いかと思いますが、違いは”How much/many”があるかないか、ですね。

これらの各疑問詞の意味合いも、何を目的とするかによって変わってきますが、問題解決の場合、

What:どんな問題か?

Why:なぜその問題が起こった(ている)か?

When:いつその問題が起こった(ている)か?

Who:誰がその問題を発見したか?/誰がその問題の実害を被っているか?

Where:どこでその問題が起こった(ている)か?

How:どのようにしてその問題が起こった(ている)か?

How much/many:その問題の件数/金額換算

という感じになります。

単純な表で、上記項目を端的に表すと、問題点をクリアに整理することができます。そのバックデータとして、これまで行ってきた調査・分析結果を付ければバッチリだと思います。

2. プロジェクト憲章(チャーター)とは?

“プロジェクト憲章”は耳慣れない方もいるかもしれません。元の英語が”Project Charter”なので、“憲章”という訳語を当てているのですが、あまり使われる日本語でもないので、しっくりこない感が否めないですね。なので、そのまま“チャーター”と呼ばれる場合も多いと思います。これも一般的なので、ググるとたくさん出てきます。ここで1つだけリンクを貼らせていただきます(asana様記事)。

“プロジェクト憲章(チャーター)”は、元々はプロジェクトマネージャー界隈のバイブル(笑)である”PMBOK(ピンボックと読みます)“でいの一番に出てくるものです。このPMBOKについては、また追って当ブログで書いてみたいと思います(->書きました!)。

コンサルティング会社の方ですと、社内で“方法論”がある場合が多いと思いますが、それらの中にも入っているのではないでしょうか?ただ不思議とあまり使われていないですよね。コンサルプロジェクトの場合、プロジェクトの“拠り所”としては提案書の方がよく使われている感があります(私がコンサル業界に居た頃の話ですが)。クライアントとの間で、認識合わせをする際には提案書に立ち返って確認していた記憶があります。

プロジェクトをやっていて、作業や議論に没頭していると、“このプロジェクトの目的って何だっけ?”とか感じる場面が多くなってくると思います。“プロジェクト憲章(チャーター)”とは、そのような際に皆で原点に立ち返る“拠り所”となります。なのでシンプルに、できれば1枚紙にして、プロジェクトルームに貼っておくのが良いと言われています。最近はリモートワークも増えていると思いますので、そのような場合はネットワーク上で共有しておけばいいですね。

3. ところで、”5W2H”と“プロジェクト憲章(チャーター)”の関係は?

今回はリーンシックスシグマの”Define(問題定義)”のとりまとめで使われるツールとして、“5W2H”と“プロジェクト憲章(チャーター)”について紹介しています。この後、実際に問題解決に進んでいくのですが、この辺りでプロジェクトを立ち上げて取り組む場合が多いと思います。そのような際に、社内でプロジェクトの承認を取り付ける際にも、“プロジェクト憲章(チャーター)”が有用です。チャーターの中で、当然問題点も記述すべきですが、そこは5W2Hが使えます。要はハイブリッドがオススメです。

プロジェクトチャーターと5W2Hのハイブリッド(イメージ図)
図2: プロジェクトチャーターと5W2Hのハイブリッド(イメージ図)

これならステークホルダーの方を始めとして、社内の誰が見ても、プロジェクト内容が明確になると思います(そうなるように書かないといけない訳ですが)。

今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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