ナレッジマネージャーの育成:GRITと成長マインドセット

皆さまこんにちは。前回は、問題解決者の抑えるべきソフトスキルの1つとして“ナレッジマネジメント”について書きました。その中で、成功するナレッジマネジメントのためには“よいナレッジマネージャーが不可欠”であり、必要な資質として、①暗黙知、②他者への貢献意欲、③GRIT(やり抜く力)を挙げました。

今回は、その③GRIT(やり抜く力)の育成方法と、そのために有用な“成長マインドセット”という考え方について書いてみたいと思います。

1. “GRIT(やり抜く力)”の測定方法

“グリット”とは、ペンシルバニア大学のダックワース教授が提唱した考え方で、“長期的な目標に向けた情熱、忍耐力”でしたね。さて、この“グリット”ですが、簡単に測定することができます。以下の10の質問(5段階スケール)に回答するだけです。で、その合計点を10で割った数字が、現時点のあなたのグリット・スコアです。

グリット質問票
図1. グリット質問票(出所:lifehacker様記事)

こちらのリンク先で、実際に回答できるようになっていますので、お時間あれば試してみてください。何点だったでしょうか(笑)?私は4.2点でした。海外(アメリカ)での平均点等も出ていますが、この手の調査結果は大抵、日本人は低めになるので(控えめな人が多いので、皆真ん中辺りにつけがち。アメリカ人は端につけがち、笑)、気にする必要はないと思います。で、この現状のスコアから伸ばしていく方法を考えてみます。

2. “成長マインドセット“

“グリット”を育成するには、”成長マインドセット”が有効なのだそうです。“成長マインドセット”とは、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が提唱した考え方です。Youtubeに動画がありますので(約10分)、お時間ある方は見てみてください(お忙しい方は、下へ読み進めてください)。

さて、この“成長マインドセット”ですが、対立する概念として“固定マインドセット”があります。わかりやすい例で言うと、“数学のテストで赤点をとった”という事象を前にした場合、“固定マインドセット”の人は、“自分には才能がない”とあきらめてしまい、“成長マインドセット”の人は、“もっと勉強しなきゃ”とポジティブに捉えるということです。

”固定マインドセット”vs.”成長マインドセット”
図2. ”固定マインドセット”vs.”成長マインドセット”

こう書くと、“固定マインドセット”はよくないので“成長マインドセット”を目指しましょう!という話になりがちだと思いますが、実際にはこのような”ゼロ“”イチ“の話ではないのではないか、と個人的には考えます。

”固定マインドセット”vs.”成長マインドセット”の実際(仮説)
図3. ”固定マインドセット”vs.”成長マインドセット”の実際(仮説)

上図のように、 “固定マインドセット”的な部分と“成長マインドセット”的な部分の両方を持っている人が多く、その割合が人によって違う、という感じではないかと思います。例えば、仕事では“固定マインドセット”ですが、家に帰れば“成長マインドセット”という人もいれば、仕事も家でも“成長マインドセット”ですが、飲み屋では“成長マインドセット”という“夜のスター(笑)”もいるかもしれませんね。

で、この割合は“2対6対2”ではないかと考えます。

3. “2対6対2の法則“

“2対6対2”の法則とは、人間の集団に普遍的に当てはまると言われる法則で、集団が形成されると”優秀な2割“、”普通な中間層6割“、”下位2割“に分かれるという考え方です。こう書くと”優秀な2割“を目指しましょう!という話になりがちだと思いますが、この”2対6対2“の法則の面白いところは、複数の集団から”優秀な2割“を集めて新たな集団を形成すると、その中でまた”2対6対2“に分かれる、と言われるところです。恐らくこの“2対6対2”という割合が、集団のバランスとしてちょうどよいのでしょうね。

"2対6対2”の法則:イメージ
図4. “2対6対2”の法則:イメージ

上図でアリの群れのイメージを書いていますが、アリの世界もまさに“2対6対2”で、地面のアリの群れを見ていると、皆で一生懸命餌を運んでいるように見えますが、実際に運んでいるのは“優秀な2割”の働きアリばかりで、他は“運んでいるフリ”をしているだけなのだそうです。更に“下位2割”は、運んでいるフリもせず、巣にいて寝ているんだとか(笑)。

ただ実はそれぞれに役割があって、“下位2割”は“寝ている”ように見えて、女王アリを守っているのだそうです。また“優秀な2割”の中で、だんだん疲れてヘタってくるアリが出てくると、“中間層6割”の中で取って代わるピンチヒッターが現れるのだそうです。面白いですね。

ちょっと話が逸れてきていますが(笑)、何が言いたいのかと言いますと、皆で“優秀な2割”を目指しましょう!というのは現実的ではなく、それぞれのポジションの中で“少しだけ成長することを目指す”というのが“成長マインドセット”なのではないか、ということです。

4. “GRIT(やり抜く力)“の育成方法

では今回の本題、“グリット”の育成方法についてまとめてみます(リロクラブ様記事)。

① 日々の目標を立てる:日々の目標を立てて取り組むことで、グリットは鍛えられます。目標は“小さくて構わない”のです。但し、“長期的な”目標の方が有効なのだそうです。

② よいプロセスを見つける:目標を達成するやり方は1つに限らないので、もしうまくいかない場合は、同じやり方に固執せず、すぐにやり方を変えることが大事です。達成経験を蓄積することがグリットを鍛えるためには大事なので、うまくいかなければやり方を変えてどんどん達成していくことが有効です。

③ 楽観視トレーニング:目標を立てて、行動を開始する際に、“やってみよう”、“やってみなければわからない”と考えるマインドセットが大事です。そして“やってうまくいかないこともあるけれど、うまくいくこともある”という考えも大事。そして“やってみたらうまくいった”という経験を積み重ねることで、“グリット”は鍛えられるのだそうです。

いかがでしょうか?“ナレッジマネージャー”適任者を見つけたら、ぜひ“グリット”を育成してもらうようにしましょう。それがあなたの会社のナレッジマネジメントの成功要因です!

今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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