皆さまこんにちは。前回は、問題解決者に求められるソフトスキルの1つとして“アイスブレーク – その①(一般編)”について書きました。
今回も“アイスブレーク”についてですが、今回は“その②(リーンシックスシグマ編)”を書いてみたいと思います。これらはリーンシックスシグマ由来ではあるのですが、特にリーンシックスシグマプロジェクトに限定したものではなく、どんなミーティングでも、また参加者が誰でも楽しんでいただける内容です。
1. シックスシグマゲーム
シックスシグマの目的は、“バラつきを抑える”でしたよね。このゲームも“バラつき”を抑えることを目指すので、このように呼ばれています。ただ全く堅苦しく考える必要はないです。
まずゲームの流れですが、ラウンド1(1分)⇒改善タイム(10分)⇒ラウンド2(1分)、という2ラウンド制です。
で、ラウンド1の内容はこんな感じです。
a) ファシリテーターは、ストップウォッチを参加者全員に見えるように表示する(フェーストゥフェースの場合は、ストップウォッチを立ち上げたPCの画面をプロジェクタで投影。オンラインの場合は、PCの画面を共有すればOK)
b) 参加者は、ファシリテーターの開始の合図とともに目を閉じて、心の中で60秒数える
c) 参加者は、60秒経ったと思ったら目を開けて、表示されているストップウォッチを見て、今何秒か確認する(忘れないようにメモしておく)
d) チーム内全員の時間を確認し、最大値と最小値を特定する。その差が、そのチームの“バラつき”
続く改善タイムでは、チームごとに、バラつきをいかに少なくするかを皆でディスカッションします。どんな改善アイディアでもいいのですが、禁止事項は、“目を開ける(これは当然ダメ)”、“声を出す(他チームにもわかってしまうので)”、“オンラインの場合、カメラオフにする(オンラインでこれをやられるとインチキしてもわからないので)”、です。
その後のラウンド2は、進め方としては上記のラウンド1と同じです。ただ各チーム、ディスカッションしたアイディアを試してください。
上記の通り、フェーストゥフェース、オンラインのどちらでも実施可能です。また人数は多ければ複数チームで競えるので楽しいですが、最低2人からでも実施可能です(バラつきは出るので)。
2. スタンダードピッグゲーム
“標準・豚ゲーム”という奇想天外なタイトルですが、豚の絵の描き方を標準化していくことで、業務標準化の効果を体感する、というのが本来の主旨です。ただ、これもそんなに堅苦しく考えなくても、アイスブレークのゲームとして十分楽しめます。
まずゲームの流れですが、ラウンド1(40秒)⇒共有タイム(1~2分)⇒ラウンド2(40秒)⇒共有タイム(1~2分)⇒ラウンド3(40秒)⇒共有タイム(1~2分)、という3ラウンド制です。
準備としては、こんな感じの紙を3枚ずつ参加者に配布します。
これは手書きでやった方がいいので、オンラインでやる場合でも、参加者には紙を手元に置いてもらった方がいいです。そんなに厳密でなくてよく、不要な紙があれば(サイズは適当で大丈夫)、それに上記のような9マスの罫線を書いてもらえばよいです。
ではラウンド1です。手元の紙(罫線の入った紙)を1枚取り出します。ファシリテーターの合図とともに、参加者は豚の絵を、思うがままに(!)、40秒間書きます。
その後の共有タイムで、皆の絵を共有します。オンラインの場合は、カメラに近づけて映してもらうことになるため、筆記具は太めのサインペン・マーカーが必須です!このラウンドでは、中々面白い絵が楽しめると思います(笑)。
でラウンド2ですが、今度はこのようなインストラクションを共有し、この指示通りに、40秒間、豚を書きます。
で、共有します。ラウンド1よりは標準化されてきているはずですが、恐らく書き終わらない人が多いのではないでしょうか?
最後にラウンド3です。今度はこのようなインストラクションを共有し、この通りに、40秒間、豚を書きます。
今度はかなりの人が書けたのではないでしょうか?標準化も、ただ手順を精緻化すればよいというのではなく、誰もが分かる形にしないと意味がない、というのがこのゲームの学びです。
まぁ学びはさておき、“絵を書く”という作業には慣れていない人が多いと思いますので、普段使わない能力が刺激されて、楽しみながらアイスブレークができると思います。このゲームもフェーストゥフェース、オンライン両方可能です。
3. 5Sゲーム
“5S(ごえす)“は、皆さまご存じでしょうか?リーンシックスシグマ界隈の方はよくご存じと思いますが、そうでない方は、意外と知らないかもしれないです。
これは“整理・整頓・清掃・清潔・躾”の頭文字をとって5Sです。ただの“そうじ”程度に思われている場合も多いのですが(笑)、元々は作業現場を綺麗に保つことで、現場の方の安全を確保するとともに、作業効率をアップする、というのが狙いです。これも日本発ですが、海外でもよく知られていて、英語だと“Sort – Set in order – Shine – Standardize – Sustain”と、これまたうまく5Sになっています!
で、この5Sの効果を体感しましょう、というのがこのゲームの主旨です。ただ、これもそんなに堅苦しく考えなくても、アイスブレークのゲームとして十分楽しめます。
こんな感じでゲームを進めます。
1. (図4を見て)20秒間で、すべての数字の中から、1から49までを探してください。
⇒20秒経ったら、ファシリテーターは、 “いくつ探せましたか?”と参加者に問いかけましょう。
2. 5Sの“整理(Sort)”をしました(不要な50~99を取り除きました)。(図5を見て)20秒間で、すべての数字の中から、1から49までを探してください。
⇒20秒経ったら、ファシリテーターは、 “いくつ探せましたか?”と参加者に問いかけましょう。
3. 5Sの“整頓(Set in order)”をしました(マス目の左下から左上に向かって1~3、中央下から中央上に向かって4~6、右下から右上に向かって7~9、左下に戻って10~12、、というように見る)。(図6を見て)20秒間で、すべての数字の中から、1から49までを探してください。
⇒20秒経ったら、ファシリテーターは、 “いくつ探せましたか?”と参加者に問いかけましょう。
4. 5Sの“清掃”は飛ばして、“清潔(Standardize)”をしました。(図7を見て)20秒間で、すべての数字の中から、1から49までを探してください。
⇒20秒経ったら、ファシリテーターは、 “いくつ探せましたか?”と参加者に問いかけましょう。
ここまでくると、ほぼ全員が探しきることができたのではないでしょうか?こんな感じで5Sの効果が実感できるのですが、まぁ学びはさておき、これも楽しみながらアイスブレークができると思います。このゲームもフェーストゥフェース、オンライン両方可能です。
4. 言葉のひげ取り
最後に、“リーンシックスシグマ”由来ではないのですが、おまけでもう1つ。先日投稿したプレゼンテーションの記事の中で触れたゲームです。
録画して自分のプレゼンを見てみると、多くの人が“え~”とか、“あの~”とかいった言葉を発して、間ができないように話をしていることに気が付くと思います。この“え~”とか“
あの~”とかを、言葉の“ひげ”と言いましたね。これをなくすだけで、プレゼンはグッと聞きやすくなります。
このゲームは、“ひげ”取りのためのちょっとした練習方法ですが、アイスブレークとしても楽しめると思います。一石二鳥ですね!
・何人かのグループを作ります。水が半分入ったコップをグループ全員で囲んで立ちます。
・1人づつ順番に、“水が半分入ったコップ”について30秒間話します。話す内容は何でもよいです。
・“ひげ”なしに30秒間話せたら座ります。但し、一言でも“ひげ”が入ったらその時点でアウト!次の人に移ります。最後まで立っていた人が負け、というゲームです。
これをやると“ひげ”に意識がいくようになり、段々取り除いていくことができます。
これは”水が半分入ったコップ”に限らず、何でも良いと思います。皆が見ることができるものをグループの中央に置いて(オンラインの場合は、画面に共有して)、やってみましょう。
今回はこのくらいにさせていただきます。
さて、これまでほぼ週次で記事を投稿してきましたが、今回までで、当初私が書きたいと考えていた内容は概ね書くことができました。で、来週以降は、これまでに投稿した内容の英訳を進めていく予定です。世界中に人のお役に、少しでも立てれば、との思いです。
つきましては、日本語での記事の投稿は、週次ではなく、“徒然なるままに”なるかと思いますので、ご理解をいただければ幸甚です。
ここまでの内容も、かなりの量になってきましたので、改めて読み直していただくのも良いと思いますし、また“こんな内容はないの?”とかご質問・リクエスト等、どしどしいただければ(”問い合わせ“からお願いします)、将来的に対応させていただきたいと考えております。
それでは今後とも、“サクサク問題解決ブログ for ビジネスパーソン”をよろしくお願いいたします!