皆さまこんにちは。前回はリーンシックスシグマの“Analyze”フェーズで使われる問題の根本原因を探る手法の1つである“5回のなぜ”について書きました。
前回までで、“as-is(現状分析)”は一旦完了です!リーンシックスシグマで言うと、“Define(問題定義)”、“Measure(問題の測定)”、“Analyze(分析)”まで来ました。

今回からは、 “to-be(あるべき姿構想)”に入っていきます。いよいよ“問題解決”する場面です!
1. “問題解決のカギは現場にあり!”
ということで、いよいよ問題解決です。“問題解決者”である皆さまの血が騒ぐ場面かと思います(笑)。以前にも投稿しましたが、理想像を描くのはクリエイティブな作業なので、楽しいですよね。“誰も考えたことのないスゴいアイディアを出そう!”と意気込みたくもなります。特にコンサル会社の方の場合、高いお金を貰っている場合が多い(と思います)ので、そういうプレッシャーを感じる場面もあるのではないでしょうか?
しかし、です。
問題解決で大事なのは、“スゴい問題解決策を考える”ことではなく、“実際に問題を解決する”ことなのですね。“実際に問題を解決する”ためには、問題解決策が着実に実行されることが大事です。では、実際に問題解決策を実行する人は誰でしょうか?これは現場のメンバーですよね?問題解決者自身が現場のメンバーの場合は、この点はあまり問題にならないと思いますが、そうではない場合も多いと思います。
人間、不思議なもので、他人の考えたアイディア(問題解決策)はあまり面白くないんですね。本当にそのアイディアのレベルが低い場合は論外ですが(笑)、それなりのレベルであったとしても、現場以外の人間のアイディアだとすると、“現場のこともわかってないくせに、偉そうなことを言うな”という反発心だったり、“結局現場で苦労するのは自分達なんだ”という被害者意識、“過去にも似たようなコンサルを何度も使ったけど何も変わらなかったので、今回も適当にあしらっておこう”というようなあきらめ感、もしくは”下手にアイディアに賛同すると、失敗した時に何言われるかわからないので、とりあえず否定しておこう”というアリバイ作り、等々の様々な情理が渦巻いて(笑)、せっかくのアイディアに対する“Buy-inが得られない(賛同が得られない)”ということが往々にしてあります。
コンサル会社の場合ですと、この“アイディア(問題解決策)”を提示するところまでで1プロジェクトになっていて、実行はクライアントの現場メンバーでお願いします!というような契約も多いかと思います。その時にこの問題が出てきやすいですよね。そうならないように、プロジェクト期間中に“実行体制”までしっかり提案する場合も多いかと思いますが、その後本当に“魂を込めて”実行されるかどうか、はクライアント(の現場)次第かと思います。
そこで、問題解決者である皆さまが現場のメンバーでない場合ですが、“問題解決のアイディア出しをする時に、現場のメンバーを巻き込む”ことがお勧めです。“巻き込む”とは、具体的には“問題解決のアイディアを考えてもらう”ということです。
2. “to-be(あるべき姿構想)”は、リーンシックスシグマでは“Improve(改善)”~“Control(維持、管理)”
ここで例によって(笑)、リーンシックスシグマにも触れてみたいと思います。上記の図1にありますように、”to-be(あるべき姿構想)“段階は、リーンシックスシグマでは”Improve(改善)“~”Control(維持、管理)“に当たります。
“Improve(改善)”では、その手前の“Analyze(分析)”フェーズで抽出された“(問題の)根本原因”に対する改善策(問題解決策)を考えていきます。いわゆる“ブレーンストーミング(ブレスト)”です。そして良いブレストをするためには、良い“ファシリテーター”が不可欠です。この辺のブレストやファシリテーションについては、追って当ブログで書いてみたいと思います。
最後の“Control(維持、管理)”が明示的に入っているのが、リーンシックスシグマの良いところです!先述の通り、問題解決で大事なのは、“スゴい問題解決策を考える”ことではなく、“実際に問題を解決する”ことです。なので、“Improve(改善)”で考えた改善策1つ1つについて、“誰が、いつまでに、何を”やるのかを決めて、しっかり管理していきます。一番最後のフェーズということもあり、何となくおざなりにされやすい所でもあるのですが(笑)、個人的には一番大事なフェーズと思っています。
3. “to-be(あるべき姿構想)”段階での、“問題解決者”である皆さまの役割
“as-is(現状分析)“段階では、様々な分析手法、ツール類をご紹介しましたが、その段階での皆さまの役割は”アナリスト(分析者)“的な感じだと思います。これも以前に投稿しましたが、この段階で、ステークホルダーが”知らなかった”あるいは”思いもよらなかった”ような事実をあぶり出して、ステークホルダーの“心を掴む”ことが大事でしたよね。
“to-be(あるべき姿構想)“段階に入ると、皆さまは”変身“しないといけません(笑)。まず問題解決策を考える段階、リーンシックスシグマの”Improve(改善)“段階では、皆さまは”ファシリテーター(問題解決の議論の促進者)“になる必要があります。
次いで、問題解決策を実行する段階、リーンシックスシグマの“Control(維持、管理)”段階では、皆さまは“プロジェクトマネージャー(問題解決策の進捗確認、しっかり完了するまでの尻たたき役)”になることが大事です。

“七変化”とまでは言わないまでも“三変化”はしないといけないです。いやぁ、問題解決者は大変です(笑)。
今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。