問題解決策の実行に“魂を込める“ – 30/60/90日レビュー & Daily Standup(デイリースタンドアップ)

皆さまこんにちは。前回から“to-be(あるべき姿構想)”の終盤、リーンシックスシグマで言う、DMAICの一番最後の“Control(維持、管理)”に入りました。“Control(維持、管理)”は、問題解決策を実際に実行しながら進捗管理をしていく段階でしたね。で、前回は進捗管理を進めるために決めておくべき“RACI(レイシー)”と“KPI”について書きました。

今回は実際の進捗管理の進め方について書いてみたいと思います。要は進捗ミーティングをやることです。当たり前と言えば当たり前ですが、これがきちんとできない(やりたがらない)人が多いと思います。これをきちんとやりきることが問題解決策の実行に“魂を込める”ことになると思います。

1. 月次管理 – 30/60/90日レビュー

これはワークショップでアクションプランを作成した30日後、60日後、90日後の各タイミングでレビューミーティングを実施するので、“30/60/90日レビュー”と呼ばれます。要は月次管理ですね。

90日までしかないのは、以前投稿しました”PICK(ピック)チャート”で”Implement Now”になったアクション、つまり優先度高のアクションにフォーカスしている前提だからです。その辺のアクションは3ヶ月以内くらいでできていて然るべきなのです。もしそれ以上の時間軸のアクションを含んでいる場合には、当然ミーティング実施タイミングも延長しましょう。

a) 目的

大きく2つあります。1つはアクションプランの詳細な進捗管理、もう1つはお偉いさん(ステアリングコミッティメンバー、RACIの”Informed“等)への報告、です。どちらを主とするかはプロジェクトによりけりだと思いますが、1か月という時間軸は詳細な進捗管理にはちょっと長すぎると個人的には思います。ちなみに、上への報告の場合”ステアリングコミッティ(ステコミ)“と呼ばれることも多いと思います。

b) 参加者

プロジェクトメンバー(RACIの”Responsible“、”Accountable”、等)は必須参加です。お偉いさん(笑)を含めるかは、上記の目的次第となります。

c) アジェンダ

基本的には、アクションプランの進捗を順に確認していきます。但し、上の報告を目的とする場合には、順番に詳細に確認するのではなく、サマリー(全体進捗状況:進捗率等、リスク/問題管理、等)を準備すべきでしょう。リスク/問題管理については、また追って当ブログで書いてみたいと思います。

2. 日次管理 – Daily Standup(デイリースタンドアップ)

上記の“30/60/90日レビュー”が上への報告だとすると、詳細な進捗管理をする場が必要です。先ほど、1か月という時間軸は詳細な進捗管理にはちょっと長すぎると書きましたが、そうすると週次、ないし日次という時間軸になります(隔週もありますねw)。

“週次くらいにしようか”というのが一般的だと思いますし、それでもよいと思いますが、個人的には日次管理をお勧めします。日次でやる代わりにダラダラとやらず“15分”で開催します。これは“アジャイル”プロジェクト管理(アジャイルについても、追って当ブログで書いてみたいと思います)で“デイリースタンドアップ”と呼ばれるものです。“15分”で終わらせるために、全員“立って”ミーティングするので、そう呼ばれるのですね。

オンライン開催の場合、立ってやる必要はないですが(立ちたい人は立ってもいいですがw)、”15分”はしっかり意識しましょう。

a) 目的

これはもうアクションプランの詳細な進捗管理、一択です。

b) 参加者

プロジェクトメンバー(RACIの”Responsible“、”Accountable”、等)必須参加です。

c) アジェンダ

①各人状況共有(昨日何をしたか/今日何をする予定か/何か問題はあるか)⇒1分/人

②その他連絡事項(もしあれば)

毎日やる、と言うと“え~、マジっすか?”と反発必至ですが(笑)、そこは“15分だけなので、まずはやってみましょう!”と押し切って始めてみましょう。

朝一でやると、全員一言声を出すことになるので、良いウォームアップになりますし、“昨日何をしたか/今日何をするか”を一言で話すことで、自分がやっていることを整理して考える癖がついてくるのも良い点です。またお互いの状況を知ることでチームのエンゲージメントも高まりますし、毎日やることで問題の早期発見にもつながります。いいことずくしですね(笑)。

始めてみると、意外といいねぇ、という声が多くなるのではないかと思います。ちなみにこの“デイリースタンドアップ”は、問題解決プロジェクトのようなプロジェクトチームだけではなく、通常業務での自分の部署・チーム内で実施するのもお奨めです。アジェンダは全く同じで、ただ話す内容が通常業務のことになる、というだけの違いです。

3. 問題解決策の実行 – 進捗管理と成果管理

さてここまで、問題解決策実行の進捗管理のやり方について書いてきましたが、もう1つ大事なことがあります。問題解決は成果を出して初めて問題を解決したと言えると思います。

なので、成果管理が大事です。成果管理のやり方は、前回書きました問題解決策ごとのKPIをフォローしていきます。フォローする場としては、上記の“デイリースタンドアップ”、“30/60/90日レビュー”を活用できます。

“デイリースタンドアップ”でやる場合には、KPIが目標に達していない場合、原因究明~解決策を検討する担当者をアサインするところまでやって、原因究明~解決策検討自体はオフラインで実施しましょう。その場で検討すると15分で終わらなくなるので。

“30/60/90日レビュー”でやる場合には、KPIごとの目標達成率と、未達の場合は改善策も併せて報告できるように準備しておきます。ただ“30/60/90日”とあるように、このレビューは3ヶ月間だけなのでは?と思われるかもしれませんが、KPIをどこまでモニタリングするかはケースバイケースだと思います。適切な期間、継続しましょう。その場合、ミーティング名称は変えた方がいいかもしれないですね(笑)。

はい、ここまでで“to-be(あるべき姿構想)”も概ね完了しました。

問題解決の流れと現在地
図1. 問題解決の流れと現在地

次回からは、問題解決を支えるソフトスキルについて書いていきたいと思います。

今回はこのくらいにさせていただき、また次回以降、続けていきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Sponsored Link